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2011年10月8日

日本でのランドバンキング

日本ではあまり行われていませんと書きましたが、各私鉄会社がこの手法に近いことを行っています。私鉄を例に、昔話チックに説明します。


むかしむかし、日本には何もない二束三文の原っぱがたくさんありました。その原っぱを、○○鉄道はとても安い値段で購入しました。


○○鉄道は購入した土地に線路を敷き、線路の周りを「ここは住宅地にしようか」「じゃああっちは商業地」「そこは高級住宅地がいいんじゃない?」と計画を立てました。しかし、○○鉄道は鉄道会社ですので開発する能力はありません。そこで、グループ会社の○○建設が開発を担いました。

開発が終わり街が生まれると、人が住み始めました。それに伴い、住人からたくさんの需要が生まれました。

  • 家の近くに、買い物ができるお店があるといいなぁ
  • 家が駅から遠いなぁ
  • この街に住みたいけど、どんな家があるんだろう
  • 仕事で来たけど、いいホテルはないかなぁ
  • 家を建てたいなぁ


○○鉄道には、これらの要望に応える能力はありませんでしたが、代わりにグループ会社がそれに応えました。

  • ○○デパートは、スーパーやデパートを作りました
  • ○○バスは、駅と市街地を結ぶバスを走らせました
  • ○○不動産は、住宅の分譲を始めました
  • ○○ホテルは、ホテル業を始めました
  • ○○建設は、ビルや家の建設業を始めました


住民の需要を満たそうと、グループ会社がたくさんのサービスを提供しました。それにより、ただの原っぱだった土地は立派な街となり、二束三文だった地価は高騰したのでした。

分かりやすさを重視して書いたので詳細は異なる部分がありますが、グループ会社がすべてを包括的に行ったというイメージは掴めると思います。また、上記の○○に私鉄会社の社名を当てはめてみると、よりイメージが沸きやすくなると思います。有名なのは東急グループの東急東横線ですね。


ランドバンキングとの大きな違いは、土地の購入から開発のすべてを鉄道会社とそのグループが行ったということです。そのため、利益はグループ会社の独り占めとなります。海外の場合は、ランドバンキング会社が土地を購入し、資金を投資家から集め、地価上昇後の売却益を投資家に還元します。また、開発後の住宅販売などの各事業を担当する会社も公募で決定されます。

よって、日本のランド・バンキングもどきは、ごく一部の限られた企業のみだけ利用できる間口の狭い資産運用と言えます。

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